天然帆立貝の調理  その2

食材は熱が加わると甘みや風味がきわだってくることは、みなさん良くお解かりでしょう。

では、帆立貝の加熱調理の基本を知って白ワインや日本酒をよりおいしく飲んで頂けたらと思います。

帆立貝を食べる温度としては、大きく分けて4つくらいでしょうか。

    ・冷たい

    ・生温かい

    ・温かい

    ・熱い

(熱い)に関しては、バーベキューなどで殻ごと焼いたりするような、加熱をコントロールしずらいものということで今回は省略します。

せっかくですから火入れを的確におこない、上品で繊細な一皿を作ってお酒を楽しみたいところですね。

普通の(温かい)料理ということについて簡単に説明させて頂きます。

結論から言えば、みなさんお解かりのようにミディアムくらいの火入れが一番おいしいということでしょうか。・・・・・あたりまえの結論ですみません。

それでは、ミディアムくらいに火を入れてよりおいしくするにはどうしましょうか?

もちろんソースやたれなどにこだわってもいいでしょう。

今回は帆立貝自身のもってる力を100%引き出して見ましょうか。フライパンなどでただ焼いただけのものを
例にしてみましょう。

まず、天然帆立貝の殻からテーブルナイフなどをつかって身を取り出します。

それを4つの部分に分けます。(貝柱、オレンジやピンク色をした肝、黒い内臓、ヒモ)
     * 黒い内臓は食べないほうがよいのですてましょう。
     * 肝やヒモはまた別な料理で楽しんでみてはいかがでしょうか。

貝柱の余分なスジなどを取り除いたら塩水で洗ってタオルなどでしっかり水分をとってください。
   (ここは大変重要なことなので手をぬかないように!・・・・・・水分があると上手く焼けません。)

使う鉄やステンレスのフライパンや鍋は厚手のもの。特に火力が弱い時などは、絶対条件!
    (テフロンのフライパンはおすすめしません)

焼く時の注意は、一つのフライパンや鍋で一度にたくさん焼こうとしないこと。

それでは、フライパンを火にかけ煙がでたら一度冷たい油を注いで鍋肌をコーティングします。注いだ油はすべて取り除いてしまいペーパーなどでふき取ってしまいます。

そこへ少量のオリーブオイルをたらし、帆立貝をいれて焼いていく訳ですが家庭のガスの火力でしたら強火全開でかまわないと思います。(プロ用の火力の場合中火がいいと思います。)

北海道の天然帆立貝はとにかく大きいので片面2分間くらいかけて、きれいに焼き色を付けていきます。
(サイズの小さい帆立貝の場合強火で1分間ずつ焼けばOK)

焼き色は帆立貝の旨味成分がキャラメル状に変化して、本当に香ばしく間違えなくおいしい!と言う香りが立ちのぼってきますので香りの変化に気お付けてください。
ここで焦げくさいと感じたら失敗ですので、火加減を自分で調節しましょう。
両面、しっかりと均一にキャラメル色の焼き色がついたら大成功です。
天然帆立貝は大きく厚みがあるのでこのぐらいしっかり焼いても中心は透明感のあるミディアムになるはずです。もちろん表面はパリッと香ばしくなってます。

本当に鮮度の良い生きた帆立貝は焼いているうちにギュッと身が絞まります。
この絞まった瞬間が食べごろの合図でもあります。

鮮度の悪いものや冷凍のものは逆にプヨプヨに膨れて、火が入るにしたがって中の旨味水分が滲み出てくるのでパリッとした旨味のキャラメルを作るのは難しくなるし、そもそも、おいしくないので使わないようにしましょう。

言い忘れましたが鮮度抜群の帆立貝でも焼き始めの温度を間違うと、同じように旨味水分が出てしまい絶対においしい焼き色がつきません。フライパンに貝柱を入れた瞬間ジュッーと音がすれば失敗することはありません。そのような状態になるようにフライパンの温度を上げておきましょうね。

塩、胡椒についてですが、塩するのは焼く瞬間か焼き上ってから岩塩をパラパラがいいと思います。
塩をしてから時間がたつと水分がでてきて、きれいに焼けなくなります。

胡椒は挽きたてを焼き上がって表面が熱いうちにふると、熱で香りが立ち上ってくるでしょう。

バターなどで焼いて香りづけしたいときは、最初からバターで焼くよりも片面がしっかり焼けてからひっくりかえすときにバターを加えアロゼしながら風味を付けることをおすすめします。

これで基本のおいしさは出来ると思います。あとはご自身でいろいろなソースを添えるなり、キャビアやトリュフといっしょ食べて贅沢するのもいいでしょう。いろんなアイデアで楽しんでみてください。

次回は生温かい(ティエド)状態の食べ方を少しだけ・・・・・・・・・・・・・・・それではまた。

         ありがとうございました。



















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